2017年12月15日金曜日

『わたしは、幸福(フェリシテ)』(Félicité)

 アフリカの音楽を愛する人は、お見逃しなく。明日から上映が始まります。

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『わたしは、幸福(フェリシテ)』(原題:Félicité

  舞台はコンゴの首都、キンシャサ。1000万人の人口を超えるアフリカでも有数の大都市だ。レイプや虐殺が発生し明日の食事にも事欠く人もいれば、一流ブランドのスーツで闊歩する人もいる。むっとする空気が流れるバーでは、男が女を口説きまくり、女は好みの男を探る。そこで、聞こえてくるのが、本能を揺さぶるフェリシテ(ヴェロ・ツァンダ・ベヤ)の歌声だ。

© ANDOLFI – GRANIT FILMS – CINEKAP – NEED PRODUCTIONS -
KATUH STUDIO - SCHORTCUT FILMS / 2017

フェリシテは、歌うことで生計を立てるシングルマザー。自立し自信に溢れた彼女の生活を変えたのは、彼女の携帯電話に入った1本の知らせだった。彼女の1人息子、サモ(ガエタン・クラウディア)が交通事故に遭ったのだ。フェリシテが病院にかけつけると、サモは脚に大きな怪我を負い、うつろな目で宙をみつめている。すぐに大金を用意しないと手術ができない。わが子を救うため、フェリシテはなりふり構わず資金の調達に動き出す。大切なプライドを次々と手放していく彼女に、どんな救いが待っているのだろう……アラン・ゴミス監督が映画のインスピレーションを得た「カサイ・オールスターズ」のプリミティヴなビートと、地元の教会で奏でる地元のアマチュア楽団「キンバンギスト交響楽団」の温かいハーモニーが、脚本のように主人公の心を語っていく。キンシャサの町の人々を支えているのはキリスト教の精神だが、フェリシテの心模様は、仏教の曼陀羅(マンダラ)のようにも見える。コンゴの深い森から現れる不思議な動物「オカピ」のあどけない目が忘れられない。彼女がなぜ「フェリシテ(幸福)」と名付けられたのか、その由来を知ったとき、映画で描かれる運命が別の意義を持って輝き出してくるような気がする。映画を見終えた後、あなたの心の中にある「フェリシテ(幸福)」がめざめますように。

© ANDOLFI – GRANIT FILMS – CINEKAP – NEED PRODUCTIONS -
ATUH STUDIO - SCHORTCUT FILMS / 2017
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 2018年1月頃に、西アフリカのバンド”African Showboyz”が初来日するそうです。遠い国、アフリカの音楽は、私たちにどんなパワーを届けてくれるでしょうか。

<本ブログ内リンク>

この映画でも、アフリカ出身の青年とそのお父さんが活躍していました。
『最高の花婿』(Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?



<公式サイト>
 『わたしは、幸福(フェリシテ)』


監督・脚本: アラン・ゴミス
出演: ヴェロ・ツァンダ・ベヤ パピ・ムパカ ガエタン・クラウディア 
    カサイ・オールスターズ ほか

201 /フランス・ベルギー・セネガル・ドイツ・レバノン/129 /
提供・配給: ムヴィオラ


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