東京国際映画祭がもうすぐ始まる。2018年の今年は、10月25日(木)から。
昨年の2017年、第30回東京国際映画祭のコンペティション部門で上映された『スパーリング・パートナー』(原題:Sparring)が、ちょうど今、『負け犬の美学』という邦題を掲げ、映画館で上映されています。
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『負け犬の美学』(原題:Sparring)
ああ、なんて素敵なタイトル!
ベタすぎるだの、らしすぎるだの、まんまじゃないかだのと言われてしまうような、そうでないような、微妙な感じがまたいい。
『あしたのジョー』の、「燃え尽きたぜ…」という台詞を思い出しながら、スティーブ(マチュー・カソヴィッツ)の姿を見ていた。
「実際、大半のボクサーが、栄光を味わうことのない、スティーブのような存在なんだ。8割の試合で負けてしまい、世に出ることがない彼らがいなければ、ポロボクシング界は存在しない」と、サミュエル・ジュイ監督は語る。
「僕にしてみれば、彼らこそボクシングの真髄だ」
英国では、彼らを、journeyman(熟練した職人)と呼ぶそうだ。
主演のマチュー・カソヴィッツは、映画のメッセージをこんな言葉で表現している。「やるべきことをやり続けてほしい。例え結果が伴わなくても。なぜなら、あなたの中には情熱があるから」」と。
ロビン・ディーキン、ジョニー・グリーブズ、ピーター・バックリー。エンドロールでは、負け続けた実在のボクサーたちのリング上の勇姿と戦績が流れる。サミュエル・ジュイ監督が贈る彼らへの敬意と賛辞に、心洗われる。
「負ける」という言葉の奥行きの深さを、この映画であらためて知った。
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映画の原点は「希望」... 第30回東京国際映画祭が始まる
<公式サイト>
『負け犬の美学』
第31回東京国際映画祭(2018)
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