2015年11月22日日曜日

再)『リトル・ロマンス』(A LITTLE ROMANCE)

11月22日は、「いい夫婦の日」。この日になると、必ず思い出すのが、この映画のこの台詞です。永遠の愛があることを信じて……

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再)『リトル・ロマンス』(原題:A LITTLE ROMANCE1979年米)

監督:ジョージ・ロイ・ヒル(George Roy Hill
音楽:ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue

「ローレン…ぼくをボギーと呼んでくれないか?」
「なぜ?」
「ボギーとローレン。2人は、お互いにとってかけがえのない存在だったんだ」

 ダイアン・レインの映画デビュー作『リトル・ロマンス』のワンシーン。
 ローレン(ダイアン・レイン)にひとめぼれした少年・ダニエル(テロニウス・ベルナール)が、初めてローレンに声をかけたときの会話だ。
 ボギーは、ハンフリー・ボガートのこと。そして、ローレンは、ローレン・バコール。
 映画大好き少年のダニエルが、「ローレン」という名を聞いてとっさに出たのがこの口説き文句だ。ハンフリー・ボガートとローレン・バコールはおしどり夫婦で知られ、ボギーががんで他界するまで、2人は連れ添ったと伝えられる。


 
永遠の愛を信じようとする少年少女を描いた『リトル・ロマンス』。
 十代の2人は親に告げずに、フランス・パリからイタリア・ベニスまで向かう。駆け落ちではない。ベニスの「ためいきの橋」の下で日没の瞬間にキスをすると2人は永遠に結ばれるという「サンセット・キス」の伝説を信じ、実現するためだ。
 よくあるロマンス映画に聞こえがちだが、ジョージ・ロイ・ヒル監督の手腕はこの作品を時代を超えた名作につくり上げた。フランス、イタリアの情景も美しいが、流れる音楽はもっと美しい。そして、何よりも、この名優の存在に敬服。2人の旅路に付き添う老紳士、ユリウスを演じるローレンス・オリヴィエだ。スリという、決して自慢できる職業ではユリウスだが、人生の先輩としての責任感を見習いたい。若者たちに夢を与え、夢を忘れないことの大切さをユリウスは教える。そして、永遠の愛が実在することも。 


 「ぼくをボギーと呼んで」
 2人の時間は、この言葉で始まり、この言葉で終わる。


2014年8月12日、ローレン・バコールさん他界のニュースが報じられたとき、まっさきに思い出したのは、彼女の主演作品でなく、この映画だった。

 天国の門をくぐったローレンは、まっさきにボギーを探しに向かうのだろうか。
永遠の愛がほんとうに存在することを、信じていたい。



『リトル・ロマンス』
DVD  2,500+税 
発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント



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