2015年11月1日日曜日

『アクトレス ~女たちの舞台~』 (Sils Maria)

『アクトレス ~女たちの舞台~』
(原題:Sils Maria /2014/フランス・スイス・ドイツ合作)

熟女?
それとも、美魔女?
中年女性という言葉がすたれていく過程で、こんな言葉をよく耳にするようになった。
でも、それが仮にほめ言葉として使われていたとしても、その呼ばれ方に抵抗がある女性は多いのではないだろうか。
世間のほこりにまみれたどの言葉にもなじめない、多くの40代、50代の女性たちに寄り添うのが、この映画の主人公、マリア(ジュリエット・ビノシュ)だ。

少しずつ若さが失われていくことの不安、少しずつ積み上げてきた成熟という財産。天秤にかけられたこの2つの心理が均衡を保っているとき、女性ははかり知れない美しさを手に入れるのかもしれない。



(c) 2014 CG CINÉMA – PALLAS FILM – CAB PRODUCTIONS – VORTEX SUTRA – 
ARTE France Cinéma – ZDF/ARTE – ORANGE STUDIO – RTS RADIO TELEVISION SUISSE –
 SRG SSR   10月24日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開

恩師である劇作家の授賞式に出席するときのマリアに、はっと目を見張る。華々しい女優としてのキャリアとはうらはらに、私生活は決して幸せに満ちているわけではない。そんな憂いが、彼女のより美しくさせるのだろうか。
衣装、ジュエリー、メイクアップを手がける『シャネル』は、本作の撮影をデジタルではなく35ミリフィルムで行うことを切望したオリヴィエ・アサイヤス監督に、製作費の一部をサポートしている。

この、世界的ブランドの創始者である、ココ・シャネルの名言を、この映画に重ねたい。

Nature gives you the face you have at twenty. Life shapes the face you have at thirty. But at fifty you get the face you deserve.”
Coco Chanel

(20歳のあなたは、生まれたときに授かった、ありのままの姿。30歳になると、そこに積み重ねてきた生きざまが加わる。そして、50歳になったときの顔は、あなた自身がつくりあげる)


<公式サイト>

『アクトレス ~女たちの舞台~』
http://actress-movie.com


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