2016年1月2日土曜日

E.T.

新しい年がやってきました。
どんな災難も、キント雲に乗せて払いサルことができますように。
家族で楽しめるこの映画を、年の始めにご紹介いたします。
 
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E.T.(アメリカ 1982年)
〜心を分かち合うのに多くの言葉はいらない
異星人と子供たちが教えてくれる本当の友情〜

笑いと涙が交互にちりばめられ、ほろりとしたかと思った数秒後にはクスクスと笑ってしまう。家族揃って楽しめるエンタテインメントの傑作、『E.T.』にはスティーブン・スピルバーグ監督のこんな思いが込められている。
E.T.を通して僕が描きたかったのは、孤独な少年についてだ」
周りのほとんどがキリスト教徒という環境で居場所を見つけられずにいたユダヤ教徒のスティーブン少年は、両親の離婚によってさらに心の傷を深めたという。
「両親の離婚で悲しむ少年を特別な友達が救ってくれる物語が、子供の頃からの夢だったんだ」
作品に自分自身の悲しみを託したスピルバーグ監督の夢は叶い、1982年、スクリーンを通して多くの人々が心に温かい余韻を残した。
地球を探索するためにやってきた宇宙船。好奇心たっぷりのE.T.がつい森の奥深くまで歩いているうちに、船は地球を離れてしまう。そんな彼が最初に出会った地球人がエリオット少年だ。大好きな父親と離れて暮らすことになったエリオットは、故郷から離れた遠い星で迷子になったE.T.のさみしさを一瞬にして理解し、こう告げる。「僕が君のことを守るよ」。
E.T.の存在をむやみに打ち明けることはできない。しかし彼はまったくの独りぼっちではなかった。E.T.に地球の言葉を教えるのは、エリオットの妹、ガーティ。エリオットとはぐれてしまい、瀕死の状態になったE.T.を探し出すのは兄のマイケル。E.T.を故郷の星へ送り出そうとマイケルの友達らも協力を惜しまない。
Home (おうち)、ouch(痛い)、 stay(ここにいて)…… E.T.が覚えたわずかな単語の響きには子供時代の記憶を呼び覚ますような懐かしさがある。
「人がコミュニケーションを取ろうと努力する瞬間が、僕はたまらなく好きなんだ」。スピルバーグ監督はある番組で嬉しそうに語っていた。「相手としっかり向かい合ってアイコンタクトをとりながら自分の感情を伝えようとする。もし伝わらなくても、伝えようとする気持ちは理解してもらえる。素晴らしいことだろう!」
E.T.はエリオット少年にこんな言葉を贈る。「ぼくはここ(君の心)にいるから」——
この映画で忘れてはならないもう1人の主役について語りたい。ピーター・コヨーテ演じる科学者、キーズ。「E.T.は僕を訪ねてきたんだ」。NASAの手に渡ってしまいそうなE.T.を守ろうと必死になるエリオットに、キーズはこう答える。「僕も彼(E.T.)が来るのを待っていたんだ。10歳のときから」。キーズはE.T.が地球上で生きてこられた奇跡が、エリオットの存在のおかげだと知りこうつぶやく。「僕も彼を助けたい…… 彼が最初に会った地球人が君でよかった」。子供の心を忘れない、こんな大人の存在がもっと世の中に増えていってほしいと思う。

参考資料:「映像の魔術師 スピルバーグ自作を語る」(原題:Speilburg on Speilburg)


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