2017年11月6日月曜日

『リュミエール!』(Lumière ! ) その3 


『リュミエール!』(原題:Lumière ! )  その3 


© 2017 - Sorties dusine productions - Institut Lumière, Lyon


 「サイレント映画の楽しみ方は3つあります。1つめは、音なしの文字通りサイレントの状態で楽しむこと。2つめは、音楽入りで楽しむこと」
 
 第30回東京国際映画祭。
 映画『リュミエール!』の上映前、舞台挨拶に登壇したティエリー・フレモー監督はこう語る。本作では、音なしの映像を、サン=サーンスの美しい音色がBGMとして加えられた。 サン=サーンスと言えば、リュミエール兄弟と同時代に活躍した音楽家だ。「彼らの生きた時代の空気を感じてほしい」というフレモー監督の思いがそこにある。

 フレモー監督によるサイレント映画の楽しみ方には、3つめがある。
 それは、「解説(語り)を聞きながら見ること」だ。リュミエール兄弟たちの撮った映像がなぜ、どのように素晴らしいのか、本作ではわかりやすいナレーションが私たちを手を取り、ワンダフル・ワールドへといざなってくれる。

 そして……
 日本語圏の私たちにはさらにもうひとつの楽しみがある。
 吹き替えのナレーションだ。
 『リュミエール!』は、オリジナルのフランス語版と、日本語吹き替え版の2種類を劇場で鑑賞することができる。フレモー監督自身によるフランス語のナレーションは、サン=サーンスの音楽と共に耳に心地よく、ベル・エポックの香りが漂ってくる。そして日本語吹き替え版は、映画人としても知られる落語家・立川志らく。活弁士のような語りもまた、ノスタルジックな風情があって味わい深い。



第30回東京国際映画祭の舞台挨拶に登壇した
ティエリー・フレモー監督と、立川志らくさん




<本ブログ内リンク>

『リュミエール!』 その1

『リュミエール!』 その2

30回東京国際映画祭
(『リュミエール!』が特別上映されました)

<公式サイト>

『リュミエール!』 

『リュミエール!』

監督・脚本・編集・プロデューサー・ナレーション:ティエリー・フレモー (カンヌ国際映画祭総代表)
製作:リュミエール研究所 
共同プロデューサー:ヴェルトラン・タヴェルニエ 
音楽:カミーユ・サン=サーンス
映像:1895年~1905年リュミエール研究所(シネマトグラフ短編映画集1,422本の108本より)


© 2017 - Sorties dusine productions - Institut Lumière, Lyon 



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