2019年8月5日月曜日

有楽町スバル座、最後の洋画『マイ・エンジェル』


有楽町スバル座、最後の洋画『マイ・エンジェル』


 有楽町ビルにある「有楽町スバル座」が201910月に閉館するという知らせが届く。ああ、またひとつの時代が終わる……
 開館は1966年だったそう。
 昭和という時代がいいことばかりだったとは思っていない。それでも、平成を生き残った昭和の名残りが、令和元年になって消えていくと思うと、なんだかむしょうに切ない。昭和の時代、「映画」という存在は今よりももっと輝いていたような気がする。その頃は、今ほど多様な娯楽もなかったから、映画好きの情熱も今以上だったんじゃないだろうか。ああ、また昭和の化石が戯言を言ってると、平成生まれの人に笑われてしまうのかもしれないけれど。

 有楽町スバル座の、最後の洋画ロードショーとして選ばれた映画は『マイ・エンジェル』(Angel Face) 。8歳の少女エリーを置き去りにする母親・マルレーヌをマリオン・コティヤールが演じる。日本でも複数のニュースが記憶にある、育児放棄事件。この映画を観る人は、マルレーヌにどんな感情を抱くだろう。母親の孤独と痛みを知る人とそうでない人とで、きっと見方は大きく変わる。でも「子育ての経験がない人にはわからない」と、簡単に決めつけることはしたくない。
 そう、あなたならきっとわかってくれる。昭和の時代からずっと映画館に出入りしてきた、筋金入りの映画好きのあなたなら。子供がいなくても、女性でなくても、映画の登場人物たちと泣いて笑って、感受性をはずませてきたあなたなら、マルレーヌの孤独も、娘のエリーの悲鳴も、自分のことのように思い、寄り添うことができるのではないでしょうか。

© 2018 WINDY PRODUCTION - MOANA FILMS - MARS FILMS LYNK HOLDINGS LIMITED - MY 


8月10日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー

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 明日は、86日。
 ヒロシマ、ナガサキ、そして終戦記念日を迎える季節です。
 映画好きの人たちの「共感力」が、社会を変える原動力となりますように。

<本ブログ内リンク>

マリオン・コティヤールのもうひとつの主演映画
彼女も、愛を切望していました。

『愛を綴る女』(原題:Mal de pierres


<公式サイト>

映画『マイ・エンジェル』

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