セルビアから、お茶目な映画が届きました。
小粋な女性・ヤゴダを演じるミリャナ・カラノヴィッチさんは、『サラエボの花』(原題:
Grbavica/2005年)で主人公・エスマを演じた女優です。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の犠牲者として苦しんでいたエスマを見た私にとって、人生を楽しもうとするヤゴダの姿が救いです。
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『鉄道運転士の花束』(原題:Dnevnik masinovodje)
定年間近の鉄道運転士・イリヤは、愛する人を失った過去から卒業できず、自分の仕事を恨む気持ちとそれを超越した気持ちの狭間で揺れ動いている。イリヤの仕事は、どんなに誠実にこなしても避けられない事故があり、人が死んでも自分が責められることはない。というより、自分自身がトラウマを抱える被害者となってしまう。敷かれたレールの上を走る鉄道運転士。単純で単調に見えるこの職務が、こんなにも複雑な人の心と向き合う、哲学的なものとは!
と、ここまで、自分の書いた文章を読み返してみる。
ん?この映画は感動的なヒューマンドラマだったっけ?と首をかしげる。
でも、書いていることに間違いはない。
ああ、これがこの映画のマジックだ、と気づく。涙ながらに見るどころか、見ていて笑いが止まらないのがこの作品。
これだけ多くの人が死んでいるのに、後味の悪さがない。ブラックユーモアとえげつなさの際(きわ)をまるで綱渡りするかのように、軽やかに渡っていくミロシュ
・ラドヴィッチ監督のセンスがいい。大がかりなセットや多額の予算がなくても、面白い映画はつくれることをあらためて知る。
<本ブログ内リンク>
いわゆる”コメディ映画”のジャンルではないけれど、笑って心が軽くなる映画って、嬉しい。
『北の果ての小さな村で』(Une annee polaire)
<公式サイト>
映画『鉄道運転士の花束』
http://tetsudou.onlyhearts.co.jp
2016年製作/85分/G/セルビア・クロアチア合作
配給:オンリー・ハーツ
8月17日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開!
8月17日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開!
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