2018年6月24日日曜日

『フランス映画祭2018』速報 その3『とてもいじわるなキツネと仲間たち』(原題:Le Grand Méchant Renard)

フランス映画祭2018  速報 その3 親子で楽しめるフランス映画


日本語字幕なし、吹き替えもなし、活弁士もなし。
フランス語の台詞を、1人の同時通訳者が座席の後ろから訳して語るという試み。
そんなライブ感が映画祭らしくて、こどもたちにも新鮮だったかもしれません。

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『とてもいじわるなキツネと仲間たち』(原題:Le Grand Méchant Renard)



フランス映画祭2018の会場。
2018年6月、イオンシネマみなとみらいにて撮影。
 朝は雨。
 雨だから「じゃあ、映画でも観ようか」ということになるのか、雨だから「じゃあおとなしく家にいよう」になるのか、人それぞれ。
 
 でも、この映画を観たくて集まった人たちが確実にいた。ものすごく多くはないけれど、少なくてがらがらでもなかった。
 
 揺らぎのある輪郭と、優しい色合い。
 『トムとジェリー』が「動くコミック」だとすれば、『とてもいじわるなキツネと仲間たち』は、「動く絵本」と表現すればわかりやすいかもしれない。

 1時間20分のこのアニメは、3つの物語で構成される。
 1話めは、コウノトリから預かった赤ちゃんを動物たちがアヴィニヨンの両親の家まで届ける話。
 2話めは、ニワトリの卵を盗んでヒヨコたちを育てるキツネの話。
 そして3話めは、動物たちがサンタクロースになって、人間のこどもたちにプレゼントを配ろうとする話。

 どれも、こどもたちへの愛がいっぱいに溢れている。
 産着にくるまった赤ちゃんのつぶらな瞳。自分が危険な目に合っていることも自覚せず、必ず誰かが助けてくれることを信じて疑わない、その笑顔。そして、赤ちゃんを助けようと我を忘れるブタさんたち。

「ママ〜!」とキツネに抱きつくひな鳥たちの表情。自分がキツネやオオカミの餌とはみじんも考えないあどけなさ。

 世界中の「大人たち」にこそ、この映画を観てもらいたい。こどもたちには、あなたの力が必要なのです。
 
 映画が終わる頃に雨は止み、気持ちのよい風が吹いていた。



2018年6月24日、夕刻のみなとみらいの空。


<本ブログ内リンク>

親子で観たい映画、ここにも。
『オンネリとアンネリのおうち』(Onneli ja Anneli)
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2018/06/onneli-ja-anneli-zodiak-finland-oy-2014.html

『フランス映画祭2018』 速報 その1
オープニングセレモニー
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2018/06/2018.html

フランス映画祭2018 速報 その2
『メモワール・オブ・ぺイン』(原題:La Douleur)
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2018/06/2018-la-douleur.html

<公式サイト>

フランス映画祭2018

2018年6月23日土曜日

フランス映画祭2018 速報 その2 『メモワール・オブ・ぺイン』(原題:La Douleur)

フランス映画祭2018 速報 その2
『メモワール・オブ・ぺイン』(原題:La Douleur)

 今日、6月23日は沖縄慰霊の日。
 フランス映画祭は、毎年ちょうどこの時期に開催される。
 そして、上映作品の中には、反戦の願いをこめたものがある。
 今年のフランス映画祭もそう。14作品のうちの3作品で戦争が描かれる。
 今日上映された『メモワール・オブ・ペイン』(原題:La Douleur) は、ナチス占領下のパリで、家族をひたすら待つ女性たちの姿が描かれている。
 原作はマルグリット・デュラス。そして監督はエマニュエル・フィンケル。
 もう生きてはいないかもしれない夫の帰りをひたすら待ち続ける主人公を演じたメラニー・ティエリーさんが、上映後のQ&Aに登壇した。

「”待つ”というテーマには、フィンケル監督ご自身の強い思い入れがありました。というのは、監督のお父さまが、戦時中に連れ去られてしまった家族をずっと待ち続けていらっしゃったからです」

フランス映画祭2018で来日したメラニー・ティエリーさん(左)
(2018年6月23日 イオンシネマみなとみらいで撮影)


いるべき場所にいない家族を待つ人々の苦悩。夫の帰りを待つ女性もいれば、ガス室に送られてしまった娘を、それでも待ち続ける母もいる。ちょうど沖縄戦が行われていた頃、ヨーロッパがどのような状態だったか、この映画が教えてくれる。

 どっちが勝ったか?
 そんなことはどうでもいい。
 どれだけの人が死んでいったか?
 その数字は役に立つのか?大切な人を失った悲しみは、数字で表せるはずがない。
 
 フランス映画祭が開催されるたびに思う。
 今年もまた、海の向こうの国の映画が楽しめる4日間があるんだ。来年もそうでありますように、と。

 戦争もテロもない時代がやってきますように。


<本ブログ内リンク>

フランス映画祭2017速報2
『夜明けの祈り』(Les Innocentes)が始まる

鎮魂の思いを込めて…『皇帝と公爵』 
(フランス映画祭2013上映作品)

<公式サイト>

フランス映画祭2018

2018年6月22日金曜日

『フランス映画祭2018』 速報 その1

『フランス映画祭2018』 速報 その1


 6月21日。
 この日はフランスにとって特別な日。
  夏の始まりを歓び、国中が音楽で溢れる”La Fête de la Musique”の日だからだ。
 そんな素敵な今日、日本で恒例のフランス映画祭が始まった。
 会場は、横浜、みなとみらい地区。13年ぶりに古巣へ帰ってきた。
 団長のナタリー・バイさん、フェスティバル・ミューズの常盤貴子さんを始め、ドレスアップした紳士淑女がレッドカーペットを歩き、オープニングセレモニーでは是枝裕和監督が合流。映画音楽の作曲で知られるジャン=ミシェル・ベルナールさんがサプライズ登壇し、ピアノで美しい音を奏でる……オープニング作品は『セラヴィ!』(原題:Le Sense de la Fête)。『最強のふたり』で知られる、エリック・トレダノ監督とオリヴィエ・ナカシュ監督の2人が届けてくれた新作だ。会場からは、「クスクス」「ハハハッ!」「え〜!」といったさまざまな笑いが聞こえてくる。クライマックスのシーンでは、映画の登場人物と同じように観客もうっとり。と思ったとたん、会場中が爆笑の渦に。エンドロールで流れるボーイズ・タウン・ギャングの『君の瞳に恋してる』に、なつかしさと元気の両方をもらった。
 Q&Aの時間も、会場の外でも、ファンの熱いまなざしにほがらかに応える2人の監督に、「ありがとう!」を連発したい気分。

 映画祭は、6月24日(日)まで。無料の関連イベントもあるので、ぜひ。


左から、エリック・トレダノ監督、常盤貴子さん、オリヴィエ・ナカシュ監督
(2018年6月21日、横浜みらとみらいホールにて撮影)



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ちょうど今、ワールドカップのフランスvsペルー戦が行われているところでしょうか。
がんばれ、フランス!



<本ブログ内リンク>

『セラヴィ!』が気に入った人は、この映画もおすすめ。
フランス映画祭2015でも上映されたコメディ映画です。

『最高の花婿』(Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?)

”La Fête de la Musique”について知りたい方はこちら


<公式サイト>

フランス映画祭2018



和やかな空気が流れたオープニングセレモニー
左から、常盤貴子さん、アンヌ・フォンティーヌ監督、ナタリー・バイ団長
(2018年6月21日、みなとみらいホールにて撮影)