2016年8月3日水曜日

『めぐりあう日』(Je vous souhaite d'être follement aimée)

『めぐりあう日』(原題:Je vous souhaite d'être follement aimée
〜フランス映画祭2016上映作品〜
/30(日)よりロードショー公開

産みの親を知らずに育ったエリザ。彼女は、養父母に引き取られ、パリで生活をしていた。理学療法士という仕事と、母という役割を担う中、自分の出生を知りたいという思いに突き動かされ、実母を探し始める。夫と離婚し、自分が生まれた場所である港町・ダンケルクへと転居すると、エリザの中で止まっていた時計が刻々と動き出す。エリザのつとめる診療所を訪れたアネットは、偶然にも、息子・ノエが通う学校の清掃員だった。「長いまつ毛ときれいな目をしたかわいい息子さんね」とノエを語るアネット。しかし、エリザとは容貌が違うことで「あなたの実の子なの?」とつい聞いてしまい、それがエリザを深く傷つける。「養子は私の方よ」と切り返すエリザに、アネットは心乱れ……監督は、『冬の小鳥』のウニー・ルコント。韓国で生まれ、フランスの養父母のもとで育った自身の体験が、この映画のモチーフとなった。
「母」として生きるうちに、自分自身について知りたくなり、自分の母と会話したくなる、そんな心の動きに、きっと多くの子育中の母親たちが共感できるのではないだろうか。映画館になかなか足を運べない、そんな母親たちにこそ、ぜひ観てほしいと思う。


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この映画を観てまっさきに思い出したのが、ソフィー・マルソー(Sophie Marceau)の言葉です。
2008年のフランス映画祭で団長として来日した彼女は、こう語りました。

こどもを持ち「母」となると、自分自身について考えるようになる。自分が何者なのか、どこから来たのかを知りたくなる、と。


エリザがもっとはやく産みの母と出会っていれば、たったひとり、ベルギーへ向かうこともなかっただろうに…と、胸がいたむのです。


フランス映画祭2016の会場に掲げられたポスター。
『めぐりあう日』は写真の下段中央
主演のセリーヌ・サレットの憂いをたたえた目が印象的。



<本ブログ内リンク>

フランス映画祭2016が始まる
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2016/06/2016_22.html

<公式サイト>

『めぐりあう日』

www.crest-inter.co.jp/meguriauhi

監督: ウニー・ルコント
出演: セリーヌ・サレット アンヌ・ブノワ  ルイ=ド・ドゥ・ランクザン
フランソワーズ・ルブラン  エリエス・アギス  ほか

2015/フランス/104

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