2015年8月21日金曜日

『マッサン』とスコットランド民謡

柳原良平さん他界のニュース。
サントリーの「アンクルトリス」の生みの親として、ウイスキーを日本人にもなじみある存在に変えていきました。

昨年NHKで放送されたドラマ『マッサン』を見たとき、柳原さんのことをふと思い出していました。

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『マッサン』の主人公・エリーが歌う、スコットランド民謡


201410月から半年間放送された、NHK連続テレビ小説『マッサン』。
国際結婚がめずらしかった時代、日本でウイスキーづくりをめざす日本人の夫と結婚し、はるばるスコットランドからやってきた女性、エリー(シャーロット・ケイト・フォックス/ Charlotte Kate Fox )が主人公だ。

洗濯物を干しながら口ずさんでいた『麦畑』
そして『蛍の光』、『マイ・ボニー』
夫婦で見つめ合いながら歌った『The Water is Wide ( There is a Ship)』。
晩年、川辺でひとりたたずんで歌う『The Parting Glass』。

エリーがうたう数々のスコットランド民謡に、なぜこんなにも心安らぐんだろうか。

 日本に住む私たちにとって、スコットランドの調べはとても身近だ。『蛍の光』は、多くの学校の卒業式で歌われているが、店が閉店するときに流れることも多くて、その印象の方が強いかもしれない。

 スコットランドの人々とともに新大陸アメリカに渡ったスコットランド民謡が、カントリー、ポップスやロックなどに大きな影響を与えていったことは間違いない。スコットランド民謡が耳に心地よく響くのは、私たちを取り囲む音楽のルーツだからかもしれない。
 あるいは、スコットランドに住んでいたケルト系の人々のルーツをたどると、どこかで日本の私たちと重なることもあり得るのかもしれない。

 大胆で気品あふれるスコットランド女性・エリー。「人生は冒険旅行」という彼女の一途さとその優しい歌声に、荒波を乗り越える勇気を教えてもらった。

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柳原良平さんと言えば、「ウイスキー」、そして「船」。一見関係のなさそうな2つのものでしたが、『マッサン』を見ていくと、1つの線になっていきました。

2006年、柳原良平さんとお会いし、記事を執筆させていただいたことがあります。
その過去の取材記事の中から、この一節を取り上げたいと思います。


かつて世界中の海原を航海していた海軍の軍艦や日の丸を付けた商船は戦争によって壊滅しました。敗戦によって、日本人は海や船への関心を失ってしまった。このときから日本人の海事思想はなくなったのだと私は思うのです。 資源の乏しい日本は、衣食住の原料を海外に頼り、自分たちの作った製品を海外に輸出して国を成り立たせています。それには船が欠かせない。日本人の生活を支えているのは今でも船なのです。そのことをぜひ忘れないでもらいたいです」

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