第87回(2015年)アカデミー賞を振り返る その2
〜ジュリー・アンドリュースからレディーガガへ〜
第87回アカデミー賞授賞式。
真っ白なドレスに身を包んだレディー・ガガが歌ったのは、映画『サウンド・オブ・ミュージック』のメドレー。『サウンド・オブ・ミュージック』〜『私のお気に入り』〜『エーデルワイス』〜『すべての山に登れ』と、澄んだ山の空気を抜ける風のように、彼女の声が会場に響き渡った。本作の主人公・マリアをジュリー・アンドリュースが演じたのは、ちょうど今のレディーガガの年の頃だったのを思い出す。
歌が終わると、プレゼンターとして登場したのが、ジュリー・アンドリュース。次の世代に思いを託すようにガガと熱いハグを交わすシーンで、ほろりとなってしまった。
今年(2015年)は『サウンド・オブ・ミュージック』の製作50周年にあたる。オーストリアを舞台に家族の絆を描いたミュージカルは多くの人の心をつかむ。そして、第38回アカデミー賞5部門受賞の栄誉に輝いた。
あれから50年。
反戦の思いを清潔感あふれる映像で表現した名作は、21世紀の私たちになお、多くを語る。「家族の絆」を渇望する人々の心と、それを育んでいく姿。だからこの映画はいつ観ても、あたたかい愛にあふれている。
そんな『サウンド・オブ・ミュージック』のナンバーをレディーガガが歌ったことが、授賞式により深みのある色を添えたような気がした。いじめ、LGBT、貧困、レイプ……ガガもまた、虐げられた人たちへまなざしを向けるひとりだから。
<本ブログ内リンク>
『サウンド・オブ・ミュージック』その1
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2016/02/sound-of-music.html
第87回アカデミー賞を振り返る その1
『虐げられた人たちへのまなざし』
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2016/02/872015.html
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