2016年2月25日木曜日

『サウンド・オブ・ミュージック』( The Sound of Music)

88回アカデミー賞受賞式が、2016228日(現地時間)に始まります。
昨年(2015年)の受賞式では、ジュリー・アンドリュースがステージでのびやかな歌声を届けてくれました。『サウンド・オブ・ミュージック』受賞から、ちょうど50年が経った節目の式でした。

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『サウンド・オブ・ミュージック』( 原題:The Sound of Music) その1
家族そろって観たい、ミュージカルの最高峰
〜第38回(1965年)米アカデミー賞作品賞、監督賞他、計5門受賞〜

 1938年、オーストリア・ザルツブルク。アルプスの山々を背景にのびのびと歌うマリア(ジュリー・アンドリュース)の登場で物語は幕を開ける。表題曲をはじめ、「私のお気に入り」、「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、「すべての山に登れ」等々、全編を彩る歌の数々は映画を知らない人でもどこかで耳にしたことがあることだろう。

 マリアの爽やかな笑顔と清潔な歌声、無邪気でやんちゃな子供たち、潔く信念を貫く父親ゲオルク(クリストファー・プラマー)の存在は、『家族』とはいったい何かを改めて思い起こさせてくれる。
 7人の子供たちを、ゲオルクは彼なりの方法で愛し、育てようとしていた。規律を重んじ、制服を着せ、笛の合図とともに集合、整列させるというそのやり方に、家庭教師としてやってきたマリアは物怖じせずに抗議する。 戸惑うゲオルク。

 彼の留守中、マリアは子供たちに手作りの遊び着を着せ、野山に連れ出すと子供たちは水を得た魚のように元気に遊び出す。もっと父親に注目してもらいたいという子供たちの願いを知ったマリアは、歌を教えようと思い立つ。次々に歌を覚える子供たち。仕事から戻ったゲオルクは家中に響き渡る天使たちの歌声に一瞬にして魅了されてしまう。
 修道院という枠にはまることが苦手で、問題を起こしてはシスターたちの手を焼かせていたお転婆娘、マリア。彼女は修道院の外に飛び出すことで自分の本当の居場所を手に入れるのだ。

 この映画は実話に基づいている。マリアは孤児であった。彼女が幼くして母親を失ったトラップ一家の子供たちとたちまち意気投合しお互いを信じ合うことができたのは、ごく自然のことのように感じられる。彼らの出会いは、心の片隅に満たされない思いを抱える者同士が天から授かったかけがえのない贈り物だったのではないだろうか。生涯を通じ信心深かったトラップ一家の紋章には、ラテン語で「どんな困難にも負けるな」と書かれていたと伝えられている。

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